真理と光の証人　シモーヌ・ヴェイユの言葉14

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「不幸によってあらゆる執着がもぎ取られても、
生の本能はなおも生きながらえ、植物がつるを巻きつけるように、
自分の支えになりそうなものなら何にでも、盲目的にすがりつく」

人間というのは、意識的であれ無意識的であれ、
常に何かに執着しているものです。
人間というのは、自分の心が空っぽになることを恐れます。
自分自身がゼロになってしまうことが耐えられないからです。

心は何かに執着し、その対象が自らの心を満たします。
その執着物は、自分というものを支え、成り立たせています。
その執着物を失うことは、自分自身を失うことにほかなりません。

私たちは、自分自身を失いたくないがために、あらゆるものに執着します。
何かを失えば別のものに執着し、また何かを失えばまた別のものに執着します。
もし自分の全ての心の支えを失ってしまったならば、人は絶望するでしょう。
もしくは、何でもいいからとにかく自分の心を支えるために、
何かにすがりつこうとするかもしれません。

絶望、恐怖、不安、焦り、悲しみ―
全ては何かに執着するところから生じる精神状態です。
何にでもすがりつき、なんとかして「何もない無の自分」から逃げようとします。
そのように私たちは自己執着の鎖に繋がれて生きており、
これは人間の大きな悲惨でもあります。

ひたすら何かに執着しようとする生は、卑小な生でしょう。
私たちは自分の中の虚無を恐れて、様々なものに執着しようとします。
虚無への恐れは、同時に死への恐れです。

人間にとって自己執着の心の働きは、非常に根深いものですが、
それに囚われ続けていては、決して自由が生まれることはないでしょう。
一切の執着を絶つことこそ、心を開放させる唯一の道です。

◇ディヴァイン・ソウル＆梵我蓮‐スピリチュアル・ユニバーシティ‐

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