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現代社会の生き方の根底には、
「競い合うこと」
「他者より優位に立つこと」
「抜きんでること」
といったものがあるように思います。
そうしなければ社会で生き残れない、やっていけない―
そういう価値観が浸透しているのではないでしょうか。

これは、「西洋型」の価値観で、
明治以降、その西洋型の価値観が日本でも取り入れられ、
それによって競い合う社会、
争って勝ち上がらなければならない社会が生まれ、
私たちは否応なしにそれに巻き込まれてしまっているように思います。

このような西洋化してきた社会の中で、
互いに競い合い、争い、必死に努力しなければならない生き方をすることで、
心も体も疲労し、弱まり、ストレスがたまり、
結果、病気になる人が急激に増えたと言われます。
これは、日本人にとって不幸なことではないでしょうか。

古来よりもともと日本では、「西洋」の考え方がありませんでした。
しかし、明治以降、競い合い、比べ合い、
他者より上に立とうという考え方が広がり、
それによって心身ともに病む人が増加してしまいました。
そうした生き方の中で、常に競い、闘っていると、
体がやがてそれについていけず、耐えられなくなり、
病や死期を早めてしまうようになっているのだと思います。

本当の幸せや豊かさとは、このようなものではないと思います。
むしろ、こうした西洋型の考え方とは正反対の生き方こそ、
本来の日本人らしい、伸びやかで穏やかな生き方ではないかと思います。
病気にならず、死期を早めることなく、伸び伸びと生きること、
それは、競わず、争わず、比べ合ったりせず、
いつでも心穏やかにあることではないでしょうか。

「もっと上にいかなければ」
「もっと追い求めなければ」
「もっとこうならなければ」

そうやって自分を追い求めてばかりいると、
かえって心身は疲労し、耐えられなくなるのだと思います。

体が嫌がることが、そのまま体の疲れにつながり、
心が嫌がることが、そのまま心のストレスや病につながる―
心も体も嫌がる生き方をするのではなく、
心と体が喜び、疲れることのない、穏やかな生き方、
時間に急き立てられ、数字にとらわれることのない生き方こそ、
現代の私たちには必要なのではと思います。

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