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わたしたちの村で一人の老女が死んで、木の根になった。

太陽の光の届かない、身内の誰ひとりいない地面の下でたった一人、

彼女はさびしかった。

仲間が欲しいと大声で叫んだ。

空高く、鳥たちがそれを聞いて、

種子をいく粒か彼女のところに持ってきた。

次に黒雲が彼女の声を聞いて、雨を送った。

雨が止んだとき、種子と根は手を取り合った。

彼らは忍耐を可能性に結びつけた。

その結果、何かが開き始めた。

すぐに、地面から柔らかい緑の芽が出てきた。

弱いが強い女のような芽が。

それは少女の美しさと年老いたおばあさんの忍耐力を持っていた。

雨と太陽がそれを育てた。

鳥たちもさえずって成長を促した。

動物たちは通りがかりに足を止めてじっと見た。

彼らは土が拡がるのを待った。

しばらくすると、あの柔らかい緑の芽は若木のようになってきた。

鳥たちが巣をかけられるようにと、枝が出た。

動物たちに木陰をと、葉が生えた。

葉からは歌が出た。

風がそれを国じゅうに運んだので、どこでも知られるようになった。

誰もがその歌を口ずさんだ。

地面の奥深くで年老いたおばあさん根っこは言った。

わたしがあんたを支えているんだ。

わたしがいなかったら、あんたなんか吹っ飛んじゃうよ。

おっしゃるとおりよ、と美しい若木は言った。

でも、わたしはあなたの記憶に意味を与えているわ。

わたしはあなたという見えない存在の生き証人なのよ。

風が枝を揺らせて、葉っぱで新しい歌を作った。

それは笑い声だった。

年老いたおばあさん根っこは言った。

さてね、若い世代もわれわれ年寄りの大切さを

わかってもいい頃じゃないかね。

まだまだ役に立つよ。

木は風に揺れた。

地面の奥深くで年老いたおばあさん根っこは木の振動を感じた。

そして彼女は踊りだしたのだった、

いつに変わらぬその真っ暗な自分の場所で。

彼女は陽の光が燦々(さんさん)とさしていて、

身内全部がここにいるのだと想像した。

それからはもう彼女はさびしいことはなかった。

彼女の孫娘は永遠に彼女の一部であり、

日毎に強く美しくなることを知っていたから。

ナンシー・ウッド

◇ディヴァイン・ソウル＆梵我蓮‐スピリチュアル・ユニバーシティ‐

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