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自己とか自我とかいっても、そもそも自分からこの世に生まれてきたわけ

でもなく、

いわば「存在させられたもの」にすぎない。

それはちょうど、花や動物や天体とまったく同じように「存在させられている」

にすぎないのだから、

究極的には「存在させたもの」の前に、草木や星のように素直に存在するほか

ないと思う。

自分の生の意味といっても、自分にも他人にも本当はわからないのだ。

その判断はただ人間を超えたものにまかせるほかないのだ

人間というものは、人間を超えたものが自分と世界を支えている、

という根本的な信頼感が無意識のうちにないならば、一日も安心して生きて

いけるはずはなく、

真のよろこび、真の愛も知りえないものなのだ。

たとえもし現世の何事にも、なんびとにも、自分が役に立ちえないとしても、

言いあらわし難いあの「瞬間」に、至高の力に支えられているのを感じた

ならば、

その力のなかでただ生かされているというだけで、しみじみと生きがいを

おぼえ、

その大いなるものの前に自己の生命を最後まで忠実に生きぬく責任を感じるで

あろう。

たとえもし自分で自分の生の意味がわからなくても、その意味づけすらも大い

なる他者の手にゆだねて、

「野のすみれのように」ただ大地に素直に咲いていることに安らぎと喜びを

おぼえるであろう。

人間の存在意義は、その利用価値や有用性によるものではない。

野に咲く花のように、ただ「無償に」存在している人も、大きな立場から

見たら存在理由がある。

大きな眼から見れば、病んでいる者、一人前でない者もまたかけがえのない

存在である。

現在元気で精神の世界に生きていると自負する人も、

もとをただせばやはり「単なる生命の一単位」にすぎなかったのであり、

生命に育まれ、支えられてきたからこそ精神的な存在でもありえたのである。

また現在もなお、生命の支えなくしては、一瞬たりとも精神的存在でありえ

ないはずである。

そのことは生きがい喪失の深淵でさまよったことのある人ならば、身にしみ

て知っているはずだ

◇ディヴァイン・ソウル＆梵我蓮‐スピリチュアル・ユニバーシティ‐

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