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もし今あなたが不安を抱えているのなら、

その不安を無理に抑え込もうとしてはいけません。

不安を乗り越えるには、不安そのものを理解しなければなりません。

自分がなぜ不安なのかを理解せずに、

ただやみくもに不安を抑えようとしても問題は解決しません。

あなたが不安であるなら、

たとえ苦しくてもその不安に留まることが大切です。

抑え込んだり、そこから逃げるのではなく、不安の苦しみに留まること。

そうしてのみ、自分はなぜ不安なのかということを理解できるからです。

それを見極めるには時間がかかるかもしれませんが、

しかし忍耐強く時間をかけることで理解の扉が開かれてきます。

すぐに不安を抑え込もう、不安を無理やり乗り越えようと焦るのではなく、

じっくりと受け身の心で留まること、自分自身を見つめること。

早く不安から逃れたいという衝動に流されるのではなく、

ただじっと待つこと、じっと不安そのものに留まること。

不安の根は何なのかを自分で見つけないかぎり、不安を乗り越えることはできませ
ん。

それゆえにじっと自分自身を見つめる観照の目が必要なのです。

不安とは何か。

なぜ自分は不安なのか。

それを見つけ、理解すること。

理解するためには、逃げてはいけません。

無理に不安を抑え込んで、そこから目を背けてはいけません。

確かに薬を使えば一時的には不安を解消できるでしょう。

娯楽や快楽に我を忘れることで不安から目をそらすこともできるでしょう。

しかしそれでは根本的な解決にはなりません。

不安そのものを理解しないかぎり、不安はいつでも顔を出してきます。

焦ることは、逃げようとする衝動にほかなりません。

それは「早く戻りたい、早く逃れたい、早く元の自分になりたい」という逃避の動き
です。

あなたが不安であるなら、逃げずにその不安と共にいなければなりません。

焦って「こうしよう、ああしよう」とせず、ただじっとそこに留まること。

忍耐強く、時間をかけ、日にちをかけ、ごく自然に待つこと。

そうすれば、なぜ自分が不安なのかが見えてくるでしょう。

そして「人間の不安とは何なのか」という真理も見えてくるでしょう。

真理こそ、あなたに必要なものです。

真理が、あなたを解放するのです。

あなたを解放した真理は、苦しむ人類の心を解放する真理でもあります。

なぜなら、あなたにとっての真理は、人類にとっても同じ真理だからです。

真理は個人的なものではなく、宇宙的なものなのです。

あなたを救う真理は、人類をも救う真理です。

もしあなたが自らの心の問題を解決し、本当に自由であるならば、

あなたが悟った真理を人類に伝えることができるでしょう。

それを分かち合うことができるならば、それこそ最善のことです。

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