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大衆の人々は、あまりにも多くのことを求め、望みすぎる。

「生きる」ということに、はたしてこれほどの希求が必要だろうか。

何かを求め、望むのは、そこに人間の欲があるからだ。

欲がなければ、望むことは何もない。

願望が絶望を生む。

さらには恐怖や不安、悲しみや挫折も願望から生まれる。

何かを望むから、それが叶わないとき、あなたは絶望し、嘆き悲しむのだ。

自由な生、自由な心というのは、願望も絶望も超えたところにある。

願望は人間の欲であり、それは心の奥底の虚しさや寂しさに根差している。

あなたが虚しさと寂しさにとらわれているから、

いつも心が満たされずに何かを希求し、渇望しようとする。

あなたは自分の心の空洞から逃げようとしているだけなのだ。

願望や渇望は決して自由ではなく、それは現実からの逃避である。

そして逃避先である対象物がやがては己の心の縛ってしまう。

その対象物とは、快楽であったり名誉であったり財産であったりするかもしれない。

もしくは人間関係、仕事、成功を追い求める野心であるかもしれない。

いずれにしてもそれらは渇望であり、虚しい自分からの逃避でしかない。

望むことは、欲することだ。

欲のあるところには、美はない。

「美」には、どんな渇望も希求もない。

何もないというところにこそ「美」がある。

それはあるがままの存在そのもの、生命の姿である。

ただ「生きる」こと─

そこに美がある。

それは一輪の花がそうであるように、

ただ生き、ただ存在し続けることである。

そこに、命の真理がある。

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