私たちは豊富な神秘に囲まれながら生きている。

無垢な子供たちにとっては、世界の様々なものが驚きに溢れている。

絶え間ない好奇心、冒険心、驚異。

ごく些細なもの、小さなものに対する不思議、疑問、探求心。

子供たちは大人以上に世界の神秘を感じている。

驚きに満ちた神秘、魔法。

それを真に感じることのできるのは、無垢な心である。

無垢こそ、感受性の無限の広がりである。

このような感受性がなければ、人生とは一体なんだろう?

神秘に溢れた魔法は、どこか遠くにあるのではない。

生命の不思議、宇宙の神秘。それは今ここに、この場所にある。

世にも偉大な驚くべき宇宙の聖なる法則は、

今まさにこの瞬間に起こっている。

それはそこにあって、私たちは現にその中に生き、存在している。

しかし、多くの大人はその驚くべき状態を感じる心を失ってしまっている。

人工物が溢れる社会、都会に生きる人々はなおさら神秘への扉を閉ざしがちだ。

もう一度、驚きに満ちた神秘の世界を感じられる感性を取り戻さなければ、

人生はあまりにも色褪せたものになってしまうだろう。

子供たちの純真無垢な感性に学ぶべきものは大きい。

宗教、信仰、伝統、哲学といったものが世間では多様にもてはやされているが、

最も強力な宗教心というべきものは、子供たちが持っているのではないだろうか。

子供のような偏見のない純真な心であることによってのみ、

宇宙の新しい次元が開かれる。そしてそれは、聖なる神秘の扉へと続いている。

聖書にはこう書かれている。

「子供のようにならなければ、神の国を知ることはできない」と。

この言葉は何を意味するのだろうか。

神を知っている心、神を知ることのできる心とはなんだろう?

本当の神秘、魔法を感じられる心とはどういった質のものだろう?

大人は大切なものを忘れてしまった。

子供のような純真無垢な心こそ、かけがえのない宝物である。

宇宙の神秘と魔法を感じる感受性こそ、人間に許された特性である。

子供のような純真無垢な心こそ、真の宗教の基盤ではないだろうか。

そのような精神性は、時を超え、時代を超え、一切の宗教を超え、

人種や国境などの区別も超えた、「人間」という生命に宿る聖性である。