真理は、到達されるべきものではない。

真理を追い求めること自体、真理を否定している。

あなたの心は虚しく、満ち足りないから、

真理という対象を追い求め、それを得ようとする。

あなたは真理という幸福を、満足を求める。

しかしそのような追求は、獲得精神に基づいた欲望から生まれている。

真理は追い求められるものではない。

それは獲得され、所有され、大事にしがみつくようなものではない。

あなたは真理を自分のものとして所有することはできない。

もしあなたが私的な真理を知ってしまえばそれはもはや真理ではなく、

ただ自分が満足いくように脚色された精神的所有物でしかない。

では真理とは一体何か。

真理とは、止まることなき永遠の生の活動である。

一瞬も静止することのない命の活動である。

真理は「現に生きているもの」であって、静止したり固定されたものではない。

「現に生きているもの」を「知る」ことはできない。

「知る」ことは、記憶、知識、経験を意味する。

しかし「現に生きているもの」は、記憶でも知識でも経験でもない。

なぜなら「現に生きているもの」は、

「今」という瞬間瞬間に生起し続けているものだからである。

よってそれはどんな経験も内包せず、記憶もされず、知識にもならない。

「今」生きているもの、「今」生起しつつあるものは永遠に新しい。

それは今まで一度も起こったことはなく、これからも二度と起こることはない。

それは永遠に最初で最後の「今」という生命の輝きである。

もしあなたが生命を「知った」と思うのなら、その知識によって生は輝きを失う。

永遠に新しい「今」は、その過去の知識によって覆い隠されてしまう。

生命は一瞬一瞬の輝きである。

それは永遠に知ることのできない未知なるものである。

未知なるものだからこそ、無限かつ不滅の「生」であり「命」なのだ。

あなたが「知っているもの」は、それが何であれ真理ではない。

あなたが「経験したもの」は、それがどんなに喜ばしい体験であれ真理ではない。

真理は知識として、経験として、過去のものとして所有することはできない。

あなたがかつて経験し、今知っているもの全てを放棄し、

過去の一切を捨てて「今」を生きることによってのみ、真理は輝くのである。