川の流れを見つめてみよう。

川というものは、流れることで生きている。

もし水たまりができて流れが止まってしまうと、

水は停滞し、濁ってしまう。

滞った水は、出し入れしないと腐敗してしまう。

人間の生もこれと同じである。

勢いよく流れる川のように、

決して留まることなく「生の流れ」の中で生きるならば、

その人生は決して停滞や退屈、腐敗を知ることはない。

停滞や腐敗、濁りが生じるのは、生の流れの外にいるときである。

生は刻々と流れている。

この流れに乗ることを妨げているのは何だろうか。

言葉、知識、伝統、過去の記憶、習慣、惰性、恐怖─といったものが、

生を停滞させ、流れに乗ることを妨げ、濁らせている。

ある一つの言葉や考え方、固定化された習慣や伝統にはまるとき、

生は新鮮さを失い、生命のエネルギーも我々の傍らを通り過ぎてしまう。

活き活きと、決して留まることのない生とは、

川のように延々と流れ続ける生である。

そこに休息はない。そこに過去はない。

安定を欲して水が一箇所に溜まるならば、そこに腐敗が生じる。

真に生きるとは、流れ続けることである。

静止せず、留まらず、どこにも漂着せず、

今持っている心の所有物を全て置き去りにして、

昨日もなく、明日もなく、ただ「今」を流れ続けることである。

川の流れそのものが、

全ての過去を、余計な記憶を、言葉を、洗い流す。

川が流れることで、水たまりの濁りも浄化される。

人間の精神もこれと同じで、

刻々と生の流れに乗って生きることによってのみ、

過去に縛られず、腐敗せず、知識の汚染から浄化され、

常に新たに、永遠に新たに瑞々しく生きることができる。

過去のあなたは終わり、刻々と新生するあなたがそこにある。

今、目の前を通り過ぎた水は、すでに過去になっている。

次から次に新しい流れがやってくる。

間断なく更新されるものは、腐敗を知らない。

それは永遠に新しく、不滅の光である。

留まらぬもの、濁りなきものは、光であり、清さであり、新生である。

流れ続けるということ。

決して静止しないということ。

それが「生」であり、「命」の活動である。

宇宙は、生きたものなのだ。

過去の言葉、知識、記憶、経験、未来への妄想やイメージなどによって、

生の流れの外に出てはならない。

生の流れの外に出れば、必ず心の混乱が生じる。

過去の水たまりに安住するとき、生は窒息する。

過去への執着、未来への執着が、生を停滞させる。

川の流れとは、過去でも未来でもない。

川の流れは、「今」である。

生きることも「今」にある。

「生きた現在＝今」こそ、永遠に更新される不滅の新しさなのだ。

この新しさ、永遠に未知なる新しさこそ、真の自由である。

それは川が何ものにも妨げられず流れ続ける「自由」そのものであるように、

人間の心も留まることを知らない不滅の自由となる。

川の流れは常に更新しつつあるように、人間もまた更新し続ける。

それが「創造」なのだ。

不滅の自由と更新があるとき、心は混乱も苦闘も持たない。

心の闘い、悲しみ、恐怖、不安といった混乱や無秩序は、

生の流れが停滞したところにあるのだ。

あなたが「流れ続ける生そのもの」であるならば、

あなたは即宇宙であり、命であり、

終わることのない永遠である。