スピリチュアルと呼ばれる世界の中では、

霊的なものを求めすぎて心のバランスを崩してしまう人も多くいます。

あまりにもスピリチュアル的なものを追求するあまり、

かえって精神の平衡が崩れてしまうのです。

スピリチュアル、霊的な次元、または霊的な体験と呼ばれるものは、

何か魅力的で人の心を誘惑する吸引力があります。

しかし、その魅力、誘惑にとらわれすぎることで、

見境もなく霊的な事柄に飛びついてしまう人が多く見られます。

そのような人の心は、いつも満たされずに何かに飢えているので、

自分の心を満足させ楽しくしてくれる霊的なものを求めます。

つまり単に欲によって、霊的なものにすがろうとするのです。

霊的なものを過剰に、神経症的に追い求めすぎるのは、

かえって非常に危険なことです。

それは快楽の追求と同じものとなってしまうため、

そこにはいつしか恐怖、葛藤、苦痛、悲しみ、失望、絶望が生まれてきます。

そして自分が得たと思い込んでいる霊的な力を見失った時、

人は精神のバランスを崩し、底なしの暗闇に陥ってしまうでしょう。

このような状態になるのは、

ただただ盲目的に、自己中心的に霊的なものを追い求めすぎた結果です。

遊び半分で、またはただ単に自分の心の虚しさを紛らわすために、

霊的なものと呼ばれるものを追い求めたために起こった結果です。

スピリチュアルとは、何か自分にとって喜ばしい体験を追い求めたり、

霊的な知識を蓄積したりするということではありません。

自分のものを追い求め、自分のことばかり考えながら、

「これがスピリチュアルだ」「これが聖なるものだ」と言っても、

それは無意味であり、エゴから発せられたものでしかないでしょう。

このような自己中心的な心、欲から生まれたものをまず終わらせなければ、

何をやっても人は常に恐怖や葛藤に囚われ続け、そこから行き着く先は悲嘆と絶望です。

なぜなら、自分の快楽、満足感、心の支えとなるものが失われたとき、

人は必ず途方に暮れ、悲しみに囚われるからです。

真のスピリチュアルとは、このようなものではありません。

まず人間に最初に必要なのは、自由な心です。

確固とした心の安定、バランス、秩序正しさ。

恐怖や葛藤のない自由な心が最初になければなりません。

心が不安や悲しみに縛られているならば、

どうしてそのような混乱した状態から真に霊的なものが発見できるでしょうか。

心の混乱があるとき、そこにあるのは混乱だけです。

人間がしなければならないことは、

まず自分自身の心の混乱と無秩序を理解し、終わらせることです。

混乱と無秩序が終われば、そこには精神の自由と深い安らぎがあります。

そこからこそ人間の本当の成長、変化、大いなる気づきが生まれ、

本当の意味での厳粛な霊的な生活が始まるのです。