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私が住んでいる小さな家の前に、

とても大きく立派なモミジの木が立っている。

このモミジの木は、

来る年、来る年、その生命の営みを繰り返している。

春に新芽を出し、

夏になると青々とした葉がなり、風に揺れる。

秋になると赤や黄色に色づき、

冬になると葉の全ては枯れ落ちて裸となる。

そしてまた春になると新しい命が芽吹く。

生のあとに死があり、死があるからまた新たな生がある。

このモミジの木は、

何十年、何百年と同じ営みを忠実に繰り返してきたのだ。

このモミジの木の営みを見つめていると、

私は決まって「生きるとは何か、死んでいくとは何か」ということを自分に問う。

地球というこの星が滅びてしまわないかぎり、

モミジの木は延々と生き続けるだろう。

このモミジの木の存在意義は「生き続けること」なのだ。

それは一切の生命の存在する意義でもある。

人間もまた、生き、死に、そしてまた新たに生まれる。

そのすべてが「命」である。

今日もまたモミジの葉が風に揺れている。

それを一人の人間がじっと静かに見つめている。

そこには、愛がある。

悲しんだり、憎んだり、嫉妬したり、奪い合ったりする愛ではなく、

ただ愛、命としての愛がある。

それは、命があるということの愛である。

命があるということを愛する愛である。

この愛なしに、人は平和と美しさを失い、堕落し腐敗していく。

この愛なしに、自由も真実もない。

愛は探し求めるものでも、追いかけるものでもない。

求めあったり、所有できたりするものは愛ではない。

やがて消え去ってしまうものは愛ではない。

愛とは、初めから「ある」もの、

これまでも、これからも、消えることなく永遠に「ある」ものなのだ。

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