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森の中で一人で暮らしていると、

野生の動物たちと親密な関係をもつことができる。

毎日仕事仕事でそれ以外に何もない都会人にとっては、

野生の動物たちをじっくり観察する余裕もない。

私は毎日のように鳥たちと戯れている。

私が「食べ物をくれる人間」であるということを知っているので、

私の姿が見えると鳥たちはすぐそばにやってくる。

スズメ、セキレイ、ヒヨドリ、カラス─

多くの鳥たちが私と信頼関係を作っている。

スズメたちは慣れてくると、手ずからエサをついばんでいく。

時には部屋の中に入ってエサをねだりにくることもある。

ほかの鳥たちも、自分だけのアピールの仕方で近寄ってくる。

言葉は交わさなくても私は彼らと親友であり、家族なのだ。

野生の鳥たちは、

ただ生きることを生きている。

生きるために、命をつなぐために日々たくましく活動している。

彼らには悲しみも恐れもない。

彼らは歌い、さえずり、子供を育て、

一日一日を命の営みのままに忠実に生きている。

悲しみ、不安、恐怖、寂しさ、心の痛み─人間だけが苦しんでいる。

鳥たちは単純で、純真で、素朴だ。

人間もまた鳥のようにシンプルに生きることができる。

しかし現代人は、生きることの単純さと素朴さを失い、

自らを問題でがんじがらめにしている。

我々人間はカゴに閉じ込められて自由を失った鳥のようだ。

野生の鳥たちには「時間」も「日にち」もない。

朝に目覚め、夜は眠り、そしてまた目覚め、そうして一日一日生きるだけだ。

人間は時間と日にちに縛られ、自分自身を縛り、

その牢獄の中で苦しみながら生きている。

まるで囚人のように決まった時間に起き、

ロボットのように決まりきった仕事や勉強のために生きる。

それが「人生」なのだという。

「人生」とは、はたしてそのようなものなのか?

そんな機械的で軽薄な毎日を生きることが「人生」なのか?

野生の生き物たちには、

時間も、日にちも、文化も、伝統も、規則も、強要も、義務も、法律も、何もない。

「こうしなければならない」という固定観念、常識、考え、判断など一つもない。

夢を追いかけたり、希望や理想を追い求めることもない。

ただ「生きていくこと」だけがあり、それが生命本来の営みである。

生命の意義は「生きる」ことにある。

「生きる」ことこそ命の意味なのだ。

私は毎日のように鳥たちと共に生きていると、

人間を、社会を、その生き方をすべて忘れる。

私は人としてではなく、命として生きている。

それが何よりも健全で、神聖で、真実であり、

真理ある生き方だと確信を持っている。

現代人、文明人は型にはまった生を生きる。

自分を牢獄の中に入れ、心を機械にして生きる。

そのような生はどこまでいっても無意味であり、

底なしの暗い闇である。

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