Check

世間の人々はあまりにも「物」に縛られた生活をしている。

「リアル─実在」は物の中にはないというのに、

人は物に執着し、それに縛られている。

自然の生命との関わりが失われたとき、

人は生の本質を見失い、不幸になる。

現代に生きる大人、そして子供たちまでもが、

「自然」というものと深い関係を持つことなく生きている。

テレビ、パソコン、携帯電話、ゲーム、娯楽─

人の手が作り上げたものが重要になり、

人間はその奴隷となって生きている。

人間が物を操るのではなく、物が人間を操っている。

過剰な物質世界が、人間を不幸にしている。

現代は本当に悲しい世界になってしまった。

我々にとって身近にある自然の美しさはほとんど価値が失われてしまった。

多くの人は草の緑の美しさを見ようとはしない。

風に揺れ、陽光に光り輝くあの緑の奇跡を見ない。

文明の中で忙しく生きる人々にとっては、

草などは何の価値もないただの「雑草」なのだ。

命の奇跡はどこにでもあるというのに、

文明で生きる人はそれに対する感受性があまりにも乏しい。

物に溢れた社会が、人間の感受性を破壊しているのだ。

この感受性こそ、人間にとって最も大切な宝であるというのに。

このような社会にあっては、

最初は無垢で感受性が豊かな子供たちも、

やがては今の大人たちと同じような卑小な「文明人」になってしまうだろう。

命の尊さや奇跡を感じられる「深い感受性」を持たない大人になってしまうだろう。

そう考えるのは恐ろしくもあり、また今の子供たちにとってはあまりにも不幸である。

この不幸で恐ろしい社会を作り出したのは、我々大人なのだ。

Trackback URL

http://divinesoul.jp/column/07-02/trackback