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私たち人間は何を恐れているのでしょうか。
なぜ恐れを持ち続けているのでしょうか。
一体、私たち人間が持つ恐怖というものの「根」は何なのでしょうか。
その根源となっているものは何なのでしょうか。
一つ一つの枝葉の恐怖ではなく、「恐怖」というものの根は何なのかということです。

恐怖にも様々な傾向があり、人によって抱く恐怖というものは違います。
人間の数だけ恐怖の数もあると言ってもいいでしょう。
しかし、それぞれ違いがあるにせよ「恐怖」という感情そのものは同じ共通のものであり、
それは私たちにとって心の苦しみです。

人間が持つこの恐怖というものの「根」は何なのかということを考えたとき、
それはある一つの同じ原因、根源、真実にたどり着くように思われます。
それは「自己を失うことへの恐れ」です。

私たち人間は「自分」というものを持って生きています。
「自分」というものは誰もが持っているもので、それは私たち人間の生の基盤とも言えます。

自分、自己、自我、我、私―呼び名は様々ですが、
この「私」「自分」という意識こそ人間の根底をなすもの、
そしてまた人間の心を支えるものであると言えます。
それが人間の根底、その人の全てを支える根っこであるからこそ、
私たちはその「自分」「私」―というものに深く依存し、執着しながら生きています。
「私」が全てであるとき、それは「エゴ」とも呼ばれます。

私たち人間は、この「自己」というものを、
「私」というものを失うことを恐れているのではないでしょうか。
「私」という意識、「私」という感覚、「私が存在する」という感情―
その「私」というものを失うことに怯えているのではないでしょうか。

私、自己、自分―それらへの執着が恐怖を作ります。
自己に執着しているかぎり恐怖はなくなりません。
自己というものを失うことへの衝動が恐怖に他ならないからです。

◇ディヴァイン・ソウル＆梵我蓮‐スピリチュアル・ユニバーシティ‐

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