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私たちは「空間」とは何かを知っているでしょうか。

たとえば、部屋の中には空間があります。

人と人との間、川のこちらと側とあちら側の岸の間、

そうした距離としての空間があります。

こうした空間とは別に、心の空間というものがあります。

これを理解することが、とても重要です。

私たちの心には、十分な空間があるでしょうか。

それとも、様々な心配事や考え事で混み合っているために、

そこにはまったく空間がなくなってしまっているでしょうか。

心に空間がないとき、その中には様々な形での恐れや不安、

苦しみや悲しみ、葛藤や闘いがあります。

そこで、私たちの心の中に空間をもつということが重要になります。

心に空間があるなら、そのとき、その空間には静寂があります。

そして、その静寂から、他のすべてのものがきます。

心に静けさが溢れた空間があるとき、

そのとき人は十分に注意深く、気づきを働かせることができます。

空間のある心、静かな心から、

いかなる我慢もなしに、見つめ、聴くことができます。

心が混み合いすぎていなくて、絶えず囚われていなければ、

そのときには、遠くから聴こえる鳥の声、子供たちの笑い声、

車の音や鐘の音にも、十分に気づいています。

そしてまた、そうした外側のものに対する気づきだけでなく、

自分の内側のものに対する気づき、

つまり自分の心の動き、感情や思考の動きにも気づけます。

この「気づく」ということが、とても大切なことです。

心が何かでいっぱいで、空間がないとき、心は鈍く、気づけません。

問題や心配事でいっぱいになっているとき、心は気づけません。

しかし、心に空間があり、静けさがあり、ゆとりがあり、

それによって十分に自覚があって気づいているならば、

そのとき心は生きていて、眠ってはいません。

そのように自覚があり、はつらつとして、十分に気づいていることが、

真に生きているということであり、目覚めているということです。

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