人間の生活を決めるもの、それは「心」である。

その人間の精神の質である。

人間の心、精神性の質が高まれば高まるほど、

その人間の生活のもまた真に高まる。

生活の質を高めるとは、物質的な次元の話ではなく、

生き方そのもの、心の持ち方そのものを豊かにするということだ。

人間の日々の生活とは、その人間の心を映したものだ。

まるで鏡に映したように、その人の生活はその人の心の現れなのである。

心がより厳粛ならば、生活も厳粛になる。

心がより真剣ならば、生き方も真剣になる。

心がより美しくあるならば、日々の行為や言動も犯しがたい美に染まる。

心の質が変われば変わるほど、人間そのものも変わる。

心が変わらないならば、その人間は変わらない。

その人間が変わらないならば、人生の新しい扉は開かれない。

心の質が変わるということは、生き方そのものが根本的に変わるということだ。

行動の仕方、生活のあり方、人間との接し方、何気ない日々の行為─

そして何よりも確固とした生きる指針や揺るがない精神性が花開く。

心が変わらなければ、その人間はずっと古い自分を引きずったままで、

いつも不安定で無秩序さを持ちながら生きていくことになる。

心が欲やエゴやだらしなさに溢れているならば、それが即あなた自身である。

心は鏡のように「あなた」の本性を、現実をあらわにする。

どんなに目を背けようとしても、それはそのままそこに現れる。

日々の行動、心の動き、感情、人との接し方に「心」が現れる。

心がその人間を形作り、生活のあり方を決めている。

「あなた」とは、今あるところのあなたにほかならない。

あなたは自分の日々の言動や生活のあり方を通して、

あなた自身の「心の質」に気づくことができる。

それがいかに堕落しているか、習慣的で惰性的か、

または不安定で無秩序で混乱しているかを知ることができる。

その心の鏡を通して、あなたは自己理解を深め、自覚を高め、

その自然な気づきと認識の中で自分を変えていくことができる。

気づきがなければ変化もない。

まず自分自身の行動に気づくこと、それが大切なことだ。

なぜなら、あなたの行動とは、あなたの心そのものなのだから。

あなたの行動が、あなたの不安を、恐怖を、葛藤を映し出している。

あなたの生活のあり方が、あなたの悲しみを、虚しさを、逃避を映し出している。

その事実に直面し、気づき、自分が変わることで、人生も大きく変容する。

変化なしに成長はない。

生きることは変わることであり、変わることこそ生きることである。

人生とは終わりなき成長と創造と変化であり、それなしには人生というものはない。