頭でもって真理や霊的なものを追い求めて、

それを獲得しようと躍起になっている人が多い。

人間の頭脳は、記憶、知識、言葉、過去の経験といったものの貯蔵庫である。

人は真理を知りたい、霊的な体験をしたいと思う。

だから頭脳による追求が重要になってしまう。

どんなに頭の中に多くのものを詰め込んでも、

それらはいずれ必ず消え去るものでしかない。

記憶も、知識も、言葉も、経験も、全ては有限で消滅的なものだ。

有限なもの、消え去ってしまうものは決して真理ではない。

頭脳は真理に触れることはできない。

頭脳は物質的過程であり、霊的(スピリチュアル)なものではない。

頭脳そのものが物質(マテリアル)なのであり、霊性とは対極にある。

では頭脳を超えたものとは一体何だろうか。

それは人間の「心」である。

心こそ限界なきものであり、真理と直接触れ合うものである。

心は物質ではない。それは頭脳の外にある。物質的空間の外にある。

心に形はなく、目にも見えない。

それは時間と空間を超えたものである。

過去の記憶、知識、経験に縛られず、

心が無限の飛翔によって宇宙と共鳴するとき、生の真理はそこにある。

心こそ宇宙の大いなる神秘を感じるものである。

このような無限の心は、終わりなき宇宙と共に永遠に生きる。

不滅性とは、まさに心の無限性である。

人間に自由をもたらすものは頭脳ではない。

幸福を、真理を、霊性を、聖性をもたらすものは頭脳ではない。

頭脳を超えた「心」のあり方、「心」の質こそ、

その人間の人生を決定するのであり、それゆえに「精神性」と言われるのである。