大自然から学ぼう。

大地、草木、空、岩、風、星、水─

あらゆるものが人間に呼びかけている。

大自然は、私たちを見ている。

私たちは、大自然から見られている。

大自然には、どんな混乱も無秩序もない。

混乱し、無秩序を作っているのは人間の心である。

大自然の全てが、私たち人間にお手本を示している。

人間の心、情念、意識は無秩序に動き回るが、大自然は常に秩序正しい。

そこにはどんな誤りも、偽りもない。

草木に偽りはあるだろうか。

空の移り変わりに、星々の運行に誤りはあるだろうか。

吹き去る風、流れ去る水は混乱しているだろうか。

大自然は、真実そのものである。

真実であるもの、それは命である。

大自然から学ぶこと、それは命の秩序と真実を学ぶことだ。

そこから心の健全さと厳粛さが生まれる。

大自然から離れると、心は秩序を失い、破綻する。

現代文明がかくも混乱し、人々の心が迷っているのは、

人間が生命そのものの真実から離れているからである。

物質、金銭、政治、経済、娯楽、快楽といったものだけが誇張され、

原初の自然の生命力は無視されている。

人は大自然と共に生きるべきなのに、人々の精神はそこから離れている。

だから人生に迷い、確固としたものを持てず、心を病む。

迷うことなく空を飛翔する鳥たちを見つめてみよう。

疑うことなく巣を張るクモを見つめてみよう。

一心不乱に蜜を集めるミツバチを見つめてみよう。

無言に湧き上がり続ける雲、流れ続ける川、天に浮かぶ星を見つめてみよう。

全ての生命を生かす太陽の光と熱を感じてみよう。

生の真実がそこにある。

愛というものがそこにある。

人もまた、生命である。

人もまた、愛である。

愛は、人を生かしている。

愛とは、生命である。