ドイツ神秘主義　マイスター・エックハルトの言葉14

「時間が永遠の内へと入るとき、そこで一切の時間が終わりを告げる。
そこには以前も以後もない。
そこにあるものは、すべて現なるものであり、新たなるものである。
かつて生起したものも、これから生起するものも、
あなたはここではひとつの現なる直観の内でつかむのである。
ここには以前も以後もなく、一切が現在である」

生の運動は、この一瞬一瞬に起こり続けています。
“現在”だけが動きつつあるのであって、現在の外にあるものは全て止まっています。
動きつつあるもの、生起しつつあるものは現在の「生」であり、
それは常に新たなる創造として起こります。

この一瞬一瞬の生起を感じるためには、
心理的な時間は終わらなければなりません。
心理的な時間とは思考の運動であり、
それは頭の中の記憶、期待、想像、イメージです。
思考があるところに時間(過去と未来)が生じ、その時間は「現在」を覆い隠します。

宇宙の創造は、過去にも未来にもありません。
大いなる現実は、まさに今この瞬間瞬間に起こりつつあるのであり、
現在だけが生き続けているものなのです。

過去も未来も持ち込むことなく、
一瞬一瞬の「今」に注意を払うことができるならば、
あなたは「生」のリアリティを刻々と感じることができるでしょう。

生きたもの、生命の運動は、思考の外にあります。
思考が時間を作るのであって、思考の外には時間はありません。
時間が止まるためには、心と思考の働きが完全に静まらなければなりません。

思考が止まり、心理的な時間も完全に終わると、精神は驚くほど静かになり、
「今」という瞬間に対しての鋭敏さと感受性が研ぎ澄まされます。
時間を超えた直観力が生まれることで、あなたは生きた宇宙の神秘を感じるでしょう。

◇ディヴァイン・ソウル＆梵我蓮‐スピリチュアル・ユニバーシティ‐

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